国宝巡りの記録

昭和43年発行の国宝事典(増補改訂版)を元に国宝を巡っていきます。

薬師如来立像(木造、神護寺)

【読み方】やくしにょらいりゅうぞう

【見に行った日】前期:2024年7月21日

        後期:2024年8月17日

【見に行った場所】東京国立博物館 平成館

創建1200年記念特別展 神護寺 空海真言密教のはじまり

【拝観料】前売券で1900円

【見学にかかった時間】特別展全体で約90分

【鑑賞メモ】

平安時代に初頭の9世紀頃に制作された木彫の古い本尊。今回の展覧会では前後左右から眺めることができた。

前期のときは正面からじっくり仰ぎ、後ろからはさーっと眺めるのみだった。

後期では、中々後ろから見る機会は無いと思い、後ろに回ってじっくり見ていたところ、像の右斜め後ろで思わず足が止まった。その位置から像の顔の辺りを眺める。光の当たり方によるものかもしれないけれど、更に神々しさ(仏教なので荘厳というべきか)が増し、壮大な景色を眺めているような気持ちになり、ずっと見ていたいと思った。

藤原光能像(神護寺)

【読み方】ふじわらのみつよしぞう

【見に行った日】2024年7月21日

【見に行った場所】東京国立博物館 平成館

創建1200年記念特別展 神護寺 空海真言密教のはじまり

【拝観料】前売券で1900円

【見学にかかった時間】特別展全体で約90分

【鑑賞メモ】鎌倉時代に描かれた絹本著色(けんぽんちゃくしょく)の作品。絹本著色とは絹地に色絵の具で書かれていること。

右手に笏(しゃく)という細長い薄板を持ち剣を身につけた束帯姿を描いたもの。束帯とは、平安時代以降の天皇以下公家男子の正装。公家とは、朝廷に仕える貴族・上級官人の総称のこと。

藤原光能平安時代末期の公卿。公卿(くぎょう)とは国政を担う最高の職位。

「絹本著色伝源頼朝像、絹本著色伝平重盛像、絹本著色伝藤原光能像」の名称で昭和26年に国宝に指定された。

神護寺略記によると、これらの像は神護寺仙洞院に安置の後白河法皇御影とともにあったものとされる。肖像画について、近年は室町幕府の2代将軍足利義詮とする説がある。

平重盛像(神護寺)

【読み方】たいらのしげもりぞう

【見に行った日】2024年7月21日

【見に行った場所】東京国立博物館 平成館

創建1200年記念特別展 神護寺 空海真言密教のはじまり

【拝観料】前売券で1900円

【見学にかかった時間】特別展全体で約90分

【鑑賞メモ】

鎌倉時代に描かれた絹本著色(けんぽんちゃくしょく)の作品。絹本著色とは絹地に色絵の具で書かれていること。

「絹本著色伝源頼朝像、絹本著色伝平重盛像、絹本著色伝藤原光能像」の名称で昭和26年に国宝に指定された。

神護寺略記によると、これらは神護寺仙洞院に安置の後白河法皇御影とともにあったものとされる。

右手に笏(しゃく)という細長い薄板を持ち剣を身につけた束帯姿を描いたもの。束帯とは、平安時代以降の天皇以下公家男子の正装。公家とは、朝廷に仕える貴族・上級官人の総称のこと。

平 重盛は、平安時代末期の武将。平清盛の息子。

源頼朝像(神護寺)

【読み方】みなもとのよりともぞう

【見に行った日】2024年7月21日

【見に行った場所】東京国立博物館 平成館

創建1200年記念特別展 神護寺 空海真言密教のはじまり

【拝観料】前売券で1900円

【見学にかかった時間】特別展全体で約90分

【鑑賞メモ】

鎌倉時代に描かれた絹本著色(けんぽんちゃくしょく)の作品。絹本著色とは絹地に色絵の具で書かれていること。

「絹本著色伝源頼朝像、絹本著色伝平重盛像、絹本著色伝藤原光能像」の名称で昭和26年に国宝に指定された。

神護寺略記によると、これらは神護寺仙洞院に安置の後白河法皇御影とともにあったものとされる。

右手に笏(しゃく)という細長い薄板を持ち剣を身につけた束帯姿を描いたもの。束帯とは、平安時代以降の天皇以下公家男子の正装。公家とは、朝廷に仕える貴族・上級官人の総称のこと。

昔の教科書には源頼朝肖像画として載っていたけれど、その後、この絵の人は源頼朝ではないという説があちこちで浮上し、昨今では教科書から姿を消している。

この絵を見た感想としては、教科書に載っていたかすらよく覚えていないくらい見慣れた絵であり、心を動かされるような気持ちにはならなかったのだけど、実物はとても大きな絵だなと思った。そして右手に持っている笏という薄い板について今まであれか何か気に留めたことがなかったのだけど、笏でネットで画像検索をすると、確かに昔の偉い人がみんな持ってる!笏を指して「コレは何?」と笏について説明しているサイトがあり、なぜ持っているのかも分かってとてもためになった。

又、作品ができた時期等を巡っても論争が続いており、論争の過程で、作品ができたのは作者の藤原隆信の死以降であると明らかになったらしい。又、三幅の筆致は三者三様であるため、全体の構図は隆信の指導によるとしても、一門の手分けによると考えられるとのこと。

鑑賞する立場から見て、この絵は曼荼羅図等に比べると「簡単」な気持ちで観られるのに、色々謎の多い作品だということが今回初めて分かった。

両界曼荼羅図(高雄曼荼羅)

【読み方】りょうかいまんだらず

【見に行った日】

胎蔵界:2024年7月21日

金剛界:2024年8月17日

【見に行った場所】東京国立博物館 平成館

創建1200年記念特別展 神護寺 空海真言密教のはじまり

【拝観料】前売券で1900円

【見学にかかった時間】特別展全体で約90分

【鑑賞メモ】両界曼荼羅とは、真言密教における二大根本教典である金剛頂経大日経に基づいて平安時代に描かれた仏教絵画。金剛頂経に基づくものを金剛界曼荼羅大日経胎蔵界曼荼羅という。

金剛界は悟りへの道筋を表し、胎蔵界は慈悲の広がりを表すとされる。中央に宇宙の真理そのものとされる大日如来を、その周りにさまざまな仏や菩薩が一定の秩序にしたがって描かれている。

「国宝事典(昭和43年発行版)」によると、現存する数多い両界曼荼羅の中で最古の、しかも真言宗の開祖である空海在世当時の唯一の作例というべきもので、絵画史上最も貴重な作品であるとのこと。

鑑賞しながら感想等があれば出品目録に書き込んでいるのだけど「でかい」とだけ書いてあった。そんな「でかい」曼荼羅をどうやって運んだり保管するのだろう、と思ったけれど、曼荼羅の傍にこれを入れるための唐櫃(収納箱)があり、もちろんそれも「でか」かった。

金剛般若経開題残巻(弘法大師筆、奈良国立博物館)

【読み方】こんごうはんにゃきょうかいだいざんかん

【見に行った日】2024年7月21日

【見に行った場所】東京国立博物館 平成館

創建1200年記念特別展 神護寺 空海真言密教のはじまり

【拝観料】前売券で1900円

【見学にかかった時間】特別展全体で約90分

【鑑賞メモ】「金剛般若経」の空海筆の解説書。

「金剛」は金剛石(ダイヤモンド)」、「般若」は全ての事物や道理を明らかに見抜く深い智慧のこと。総じて「金剛石のごとく煩悩・執着を裁断する智慧の完成の経」の意味となる。

草稿(下書き)と思われるもので、空海の下書きの書き方を見ることができる珍重なもの。

密教法具(教王護国寺)

【読み方】みっきょうほうぐ

【見に行った日】2024年7月21日

【見に行った場所】東京国立博物館 平成館

創建1200年記念特別展 神護寺 空海真言密教のはじまり

【拝観料】前売券で1900円

【見学にかかった時間】特別展全体で約90分

【鑑賞メモ】

中国・唐時代8〜9世紀時代に製作された法具。弘法大師が唐から持ち帰ったものと言われている。

①金銅金剛盤(こんごうばん)

金剛鈴と金剛杵を載せて飾る台。

②金銅五鈷杵(ごこしょ)

古代インドの武器に起源したもので手杵の形に似ている。基本的な形は棒状で、中央に柄がある。その上下に槍状の刃が付いていて、五鈷杵は中央の刃の周囲に四本の刃を付けたもの。

③金銅五鈷鈴(ごこめい)

五鈷杵の一方に鈴がついたもの。上部の握る部分を握って振り鳴らす。